aitendoの「 マイク入力付きDACヘッドホンアンプ [K-108CS]」、100Ω(シルク印刷で101のところ)の2箇所に気になることがあったのですが、どうするか決めたので最終組立し完成しました。
疑問だったのはこのCM108は単電源なのに、出力(CM108とPHONE端子の間)にカップリングコンデンサが無いのでなぜかということだったです。
実はPHONE端子のGND側がバーチャルGND(仮想GND)になっているので不要なことがわかりました。バーチャルGNDはCM108のLOBSピンで、それが基板パターンでPHONE端子のGND側につながっていました。
LとRの信号側、つまりCM108のLOLピンとLORピンがPHONE端子に直結ではなくて100Ωを経由しているのは、端子ショートの保護用かなと思います(推測です)。
ということでこの端子にヘッドホンを接続するときはこれでよいとは思うのですが、PHONE端子からケーブルで他の機器の入力に接続するときには、相手の機器によっては問題が起こるなあと思いました。
もともとヘッドホンアンプなのでこのキットの不具合というわけではありません。
相手の機器のGND側がこのアンプの基板のGNDにUSBケーブルや電源ラインなどを経由して(間接的に)接続されているときには直流電流が流れてしまいます。というのも、その状況ではPHONE端子のGND(CM108のLOBSピン)は相手の機器のGNDから約2V高くしようとして動作している)ためで、そうなるとCM108が発熱してしまったりするのでよろしくない可能性があるなあと思いました。
というわけで、自分の場合はPHONE端子を別のアンプに接続して使うこともありえるのでちょっと回路を変更することにしました。
100Ωの抵抗のところは直流カットのためにカップリングコンデンサ(470uF/10Vのタンタルコンデンサ)を実装。 (アルミ電解コンデンサにするには場所が無くタンタルで。故障モードがショートなのがちょっと気にはなりますが妥協。)
緑色のところはCM108のLOBSからPHONE端子のGNDへのパターンで、これはカットしました。
PHONE端子のGND側は水色のところの基板レジストを剥がしてベタGNDのパターンに接続しました。
これで、PHONE端子のGNDは基板のGNDと同電位になります。 PHONE端子のLとRの信号側はそれぞれ対GNDに3.3kΩの抵抗を追加しました。出力端子の直流電圧レベルをGNDレベルにするためのものです。ヘッドホン挿入時のボツ音対応にもなります。
加工部分を拡大しています。
ちなみに、CM108のデータシートには27ページにReference application circuit(参考回路図)が載っていて、LOBSピンは使わない形になっています。そしてカップリングコンデンサは470uF/6.3Vになっています。3.3kΩに相当する抵抗は付いていません。
要するに今回のPHONE端子部分周辺の変更は、まずCM108のデータシートに載っている回路に合わせて、PHONE端子のLとRの信号ラインとGND間にそれぞれ3.3kΩを追加した形です。
念のため書いておきますが、もし同様の変更をされる場合は自己責任ですのでよろしくおねがいしますね。
ケースに収めるとこんな感じになります。
パネル取り付け前
フロントパネル取り付け後
バックパネル取り付け後
底面にはゴム足をつけたほうが良さそうです(付属していません)。
音については、可もなく不可もなくって感じでしょうか。 感激するほどHi-Fi(死語?)というわけではないですが、ダメダメっていうこともない感じですね。まあ1,000円ほどのものなのでコストには十分見合っていると思います。
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